昨日、ADPKDの勉強会に参加してきました。
【常染色体優性多発性嚢胞腎:ADPKD】についてお伝えします。
私は研修医の時にこの疾患の患者さんと出会いました。毎年きまった時期に高熱を生じていたのです。その原因は嚢胞感染でして、3年連続で治療したある透析患者さんのことを思い出します。当時は腎不全に対する根本的な治療はありませんでした。
この病気は両側の腎臓に多数の嚢胞(のうほう:みずぶくれ)ができる遺伝性の疾患です。
嚢胞は年齢とともに数が増加し大きくなり、40歳ごろから徐々に腎機能が低下し、70歳までに約半数の方が透析導入に至ると言われています。
また高血圧、脳動脈瘤、肝嚢胞、嚢胞感染、大腸憩室炎などの合併症も生じうるので、未然のリスク評価・治療が望ましいです。
本症では高血圧は60%以上が腎機能正常のときから出現するといわれており、ご両親も高血圧である患者さんの中に、まだ本症とお知りでないこともあります。
診断は、家族歴の問診と痛みを伴わない腹部エコー検査から行います。
以前は治療法が無かったのですが2014年3月に本症の進行を抑制する内服薬(トルバプタン)が承認され、嚢胞の増大を遅らせることができるようになったのです。
この薬が処方できるのは十分な知識を持つ登録医に限られ、詳しい説明や検査を受けた患者さんが対象となります。
2015年1月からはこの病気が新たに医療費の助成対象となり経済的な負担も軽減されるようになりました。
難病指定医を取得し、今まで7名の患者さんに治療薬投与を行ってきました。
診断、医療費助成申請、治療導入後の継続治療が当院で受けられます。
患者さんご自身やご家族の心理面にも配慮し対応しております。
気になられた方はいつでもご相談下さい。
内科 小児科 皮膚科 腎臓内科
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